１．東日本大震災復興都市計画・まちづくりの研究

１－２．復興まちづくりのシナリオ

　東日本大震災の多くの被災地の自治体では、本来、先に描くべき地域性を踏まえた街の将来像が見えないまま、国の復興交付金の交付期限までに補助金をどのように活用するかが検討されているのが実態である。一方、一部の地区では、まちづくり協議会や勉強会等が発足し、地域住民や市民が主体による多様なまちづくり活動が生まれており、地域毎に異なる復興プロセスが見られる。各地域の復興メカニズム（＝復興まちづくりに関わる主体の役割やネットワークと地区レベルの空間計画の時間軸における関係）を明らかにし、地域毎の復興の姿へ向かう為に状況に応じて更新されていく復興シナリオを検討する。震災から３年、直後の混乱状態の中で策定された行政による復興事業の計画を見直すきっかけとしたい。